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東南アジア金融街の破綻が近いことを悟った壮一郎は〝C〟に備えるよう幹部達に指示を出す。〝C〟とは一体何なのか。その影響は現実世界に序々に現れていたが、アントレプレナー以外の人間には感じ取ることが出来ない。今まさに、公麿は己のスタンスを選ばなくてはならなかった。
 

5月15日、国際通貨基金(IMF)のトップである専務理事が米国ニューヨーク市内のホテルで女性従業員に性的暴行を加えた疑いで逮捕されるという「事件」が起きた。この専務理事はポルトガルやギリシャの救済に手腕を発揮し、危機を回避した立役者である。彼の後任人事次第では、欧州債務危機の再燃という事態もありうる。少なくとも今後の世界経済への影響はまぬがれまい。それにしても、ディールで負けると未来を失うという「C」の世界が現実化したような錯覚を感じさせる「事件」であった。

ジェニファー・サトウの勤務先として登場するIMFは、世界銀行と並ぶ国連の専門機関。世界銀行が主に発展途上国への資金供給を行うのに対して、IMFは為替相場の安定を目的する「通貨の番人」である。1997年のアジア通貨危機でもアジア諸国に大量の資金供給を行い事態の安定化に努めた。もっとも、IMF自身が多額の資金を持っているわけではなく、事態の都度、加盟国が資金を負担するという仕組みだ。

初期段階での中村健治監督らとの打ち合わせ時に、「サトウの勤務先はどこにするか?」という話題で、はじめてIMFの名前が上がったと記憶している。当時、筆者は「リアルっぽさを求めるためにIMFの名前を使う」という程度の認識しかなかったのだが、「それにしてはスタッフの方々はIMFについてかなり詳しく調べているなあ」という気もしていた。その成果はドラマの細部のいたるところに現れている。

今後のストーリー進行でIMFの存在は、ますます大きくなってくる。少なくともサトウの上司が暴行事件で逮捕されるようなことはないとは思うが。